2016/11/14(月)第38回サントリー学芸賞受賞「ロマネスク美術革命」試し読み
11~12世紀のロマネスクこそは、ヨーロッパ美術を大きく塗りかえる「革命」だった。宮廷文化から民衆文化への流れのなかで、知識より感情を、写実よりかたちの自由を優先する新たな表現が、各地でいっせいに花ひらく。古代ギリシア・ローマやルネサンスだけがスタンダードではない。モダン・アートにも通じる美の多様性を、豊富な図版を例に解きあかす。
受賞作品は以下のとおり。
政治・経済部門
塩出浩之『越境者の政治史―アジア太平洋における日本人の移民と植民』(名古屋大学出版会)白鳥潤一郎『「経済大国」日本の外交 ―エネルギー資源外交の形成 1967~1974年』(千倉書房)
芸術・文学部門
池上裕子『越境と覇権―ロバート・ラウシェンバーグと戦後アメリカ美術の世界的台頭』(三元社)沖本幸子『乱舞の中世: 白拍子・乱拍子・猿楽』(吉川弘文館)
金沢百枝『ロマネスク美術革命』(新潮社)
社会・風俗部門
木村洋『文学熱の時代―慷慨から煩悶へ』(名古屋大学出版会)思想・歴史部門
熊谷英人『フランス革命という鏡―十九世紀ドイツ歴史主義の時代』(白水社)高山大毅『近世日本の「礼楽」と「修辞」―荻生徂徠以後の「接人」の制度構想』(東京大学出版会)