2017/10/22(日)市川拓司「恋愛寫眞 もうひとつの物語」中村航「絶対、最強の恋のうた」瀧羽麻子「左京区恋月橋渡ル」全文無料公開
小学館文庫20周年フェア【なんと! 全ページ無料公開中!】 | 小説丸
以下の3作品は10/11~10/31の期間限定で全文無料で試し読みできます。このチャンスにぜひ読まれてみてはいかがでしょうか。
堤幸彦氏の映画『恋愛寫眞』との競作として世に出、その後『ただ、君を愛してる』と題して再度映画化され、物語の完成度とともに、恋することの切なさや美しさをリリカルに描いた傑作恋愛小説として話題を呼んだ、市川拓司氏のもう一つの傑作です。物語のラストで語られる名セリフ、「別れはいつだって思いよりも先に来る。それでもみんな微笑みながら言うの。さよなら、またいつか会いましょう。さよなら、またどこかで、って。」の言葉の意味を、ぜひ味わってみてください。
恋はスタンプカードのようなものだ、と私は思う。キスをして、好きだと思って、何かをわかり合って、やさしい気持ちになって――。そんなことがある度に、私たちはスタンプを押す。いつまで続くのかな? 密やかな気分で私は思う。このカードはいつか、かけがえのない何かと交換できる。そんな日がきっとくる。その日まで、私たちは小さな声で歌うのだ。最強の恋のうたを歌うのだ――。